質問:埼玉県は実は医師不足って本当ですか?

埼玉健康病院  |

ドクタービジョンという医師の求人サイトがありますが、このサイトで埼玉県の医師転職求人数を調べると、他県よりも多く求人案件が出てきます。これが一番わかりやすいと思いますが、実は埼玉県はかなり深刻な医師不足に陥っているということを私たちは知っておかなければなりません。

埼玉県は東京都隣接していることもあり、医師や病院の多い東京の施設を利用する方もいらっしゃるかと思い、あまり医師不足ということについては感じていない人が多いということも事実です。しかしながら、実は埼玉県の医師不足率というのは全国No.1という不名誉な状況にあります。

それはなぜか?簡単です。埼玉県の人が増えているからです。この医師不足の状況は今に始まったことではありません。埼玉県としては非常に努力をし、全国平均以上の医師増加数を実績として出しています。しかしながら医師不足の状況が覆らないのは、それを追い越すほどのスピードで人口が増加しているからなのです。

では、埼玉県ではどのような医師増加のための改革を行ったのでしょうか?まず、埼玉県内で医師を生み出すことが必要にはなりますが、埼玉県には医学部を持った大学が一校しかありません。そこで、埼玉県医師育成奨学金制度(出身者奨学金)というものを設け、「将来医師として埼玉県の地域医療に貢献したい」と考えている県出身の県外大学で学んでいる医学生に埼玉県が奨学金を貸与する制度です(貸与を受けた医学生は、医師国家試験に合格し、貸与期間の1.5倍の期間、埼玉県内の公的医療機関に勤務すれば奨学金の返還は免除になる)。

その他にも、女性医師の産後の復職支援、キャリアアッププログラムの作成など、とにかく医師およびその卵を大事にするということを政策として行っています。まさに医師不足で悩む埼玉県だからこそといえるかと思いますが、その結果、埼玉県は平成12年度から22年度までで2118人の医師を増やしています(全国平均792.1人)。しかしながら先のドクタービジョンで見た求人数のようにそれでもまだ足りない埼玉医療事情。解決まで時間はかかると思いますが、引き続き県としての努力を期待したいところです。

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